革靴ポリ男

靴磨き職人を目指す大学生のブログです。革靴や靴磨きについての記事を書いていくので、良かったらご覧ください。

ポリ男式靴磨き「自然仕上げ」

鏡面磨き派と自然派のバトルみたいなやつ…

あれ、なんなんですかね。

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 はじめに

 皆さんこんにちは。

 ご存じだとは思いますが、靴磨きには2つの磨き方があります。

 それは、鏡面磨きをするか自然に仕上げるかの2つです。

 鏡面磨きについては前の記事で書きましたので、本日は「ポリ男式靴磨き・自然仕上げ」の磨き方をお伝えできればと思います。

自然仕上げとは

 まず初めに自然仕上げとは何か。それは、鏡面磨きをしない靴の磨き方のことを指します。主にモカシンのようなカジュアル感の強い革靴に用いられます。

 でも正直、気にしなくていいと思います!鏡面にしたかったら鏡面にして、したくなかったら自然仕上げにしたらいいと思います。

 

ポリ男式靴磨き・自然仕上げ

 では、私ポリ男なりの自然仕上げの流れを説明していきます。手順としては大きく分けて7段階あります。

1:靴紐を外す

2:馬毛ブラシでブラッシング

3:クリーナーで汚れと古いクリームの除去

4:デリケートクリームの塗布(豚毛ブラシでブラッシング)

5:油性クリームの塗布(豚毛ブラシでブラッシング

6:ヤギ毛ブラシでブラッシング

 これがポリ男の自然仕上げ磨きの一連の流れです。

靴紐を外す

 靴磨きをするにあたって、まず初めにすることは靴紐を外すことです。たまに、外さないまま磨く方もいますが、絶対にタブーです。

 なぜなら、紐を外さないと羽根の内側のホコリを掻き出すことができませんし、靴紐を通す穴にはクリームを塗り込むことができなくなってしまうからです。

 ですが、靴紐を外すにあたって覚えていて欲しいことがあります。それは、内羽根と外羽根で紐の抜き方が少し違うということです。

 外羽根の靴は全て紐を抜き取って大丈夫なんですが、内羽根の靴は一番下の穴は入れたままにしておいてください。

 内羽根の靴紐はすごい取りにくいので、無理やり抜こうとすると革に亀裂が入ってしまいます。なので、内羽根の靴紐は最後まで抜かないようにしてください。

 紐が抜き終わったら、シューツリーを入れてください。

 外羽根の靴→最後まで紐を抜いて大丈夫

 内羽根の靴→最後は抜いたらあかん

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上:外羽根   下:内羽根

伝わります?

 

馬毛ブラシでブラッシング

 では、紐が抜き終わったら次の工程は馬毛ブラシでのブラッシングです。ブラッシングをすることで、ホコリを払うというのがこの工程の役割です。鏡面磨き編でもお伝えしましたが、この工程は結構大事なんです。

 たかがホコリなんて思っていませんか?もしもそう思っている人がいたら、すごい危険ですよ。甘く見てると、後々痛い目にあいますよぉ。なので、そうならないためのちょっとしたコツをお伝えします。鏡面磨き編でお伝えした内容とほとんど一緒なんですけどね。

 靴磨きにおいては、イメージが大事だと思っています。そのイメージなんですが、表面を弾いて少し力を入れて、当てるようにブラッシングしてください。そうすると、毛先が上手いくらいにしなってホコリを落とすことができます。

 そして、一つ気を付けて欲しいことがあります。それはウェルトとアッパーの隙間のブラッシングは念入りにして欲しいということです。もし、あまり気にしていなかった人がいたら見てみてください。奥のほうに結構ホコリがたまってるんじゃないですか?

 取り除くなら今のうちです。後になれば後になるほど、ホコリが革にくっつき取れにくくなってしまいますから。

 馬毛ブラシ→弾くようなイメージ

 

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馬毛ブラシ

 クリーナーで汚れと古いクリームの除去

 ということで、ホコリが落とせたと思いますので、クリーナーを使って革の表面についている汚れや古くなったクリームを落としていきましょう。まさかクリーナーを使ってない方いませんよね?

 洗顔に例えると分かりやすいと思います。馬毛ブラシが水での洗顔のイメージです。でも、人間の皮脂汚れは水だけじゃ落ちませんよね?

 ということで、洗顔クリームが必要だと思います。その洗顔クリームの役割を担うのがクリーナーです。しっかりとクリーナーを使いちゃんとすっぴんにしてあげましょう。

 そうしなければ、靴を長持ちさせるために磨いてるはずが、拭き取り切れていなかった汚れや古いクリームがどんどん積み重なり、靴を劣化させてしまうかもしれません。なんで、気を付けてくださいね。

 では、クリーナーの手順を説明していきます。鏡面磨き編の記事でもお伝えしたように、クリーナーには2種類あります。それは、油性クリーナーと水性クリーナーです。どちらもクリーナーではありますが、使い方が違うのでそれぞれ説明していきますね。

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左:水性クリーナー  右:油性クリーナー

 油性クリーナーの使い方

 最初に使うのは油性クリーナーです。なぜなら、水性クリーナーだけでは革にのっている油性クリームをしっかり落とすことができないからです。水と油は喧嘩しちゃいますからね。なので油性クリーナーを使って古くなった油性クリームを溶かしてあげましょう。ここでイメージしてほしいのが、クリームとクリーナーを混ぜて溶かすというものです。くるくる指を回しながら塗布すると、上手くいくと思います。

 水性クリーナーの使い方

 油性クリーナーの工程が終わりましたら、水性クリーナーに移ります。この工程でイメージしてほしいのが、拭き上げるといういうイメージです。なので、布に少量のクリーナーをつけ、表面を擦るようにして汚れとクリームを除去してください。

 油性クリーナー→混ぜるイメージ

 水性クリーナー→拭き上げるイメージ

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汚れ落とし終了

デリケートクリームの塗布

 

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デリケートクリーム


ということで、靴はすっぴんになるはずです。ここまで来てやっとクリームを塗布できるわけですが、この工程は少し変わっているかもしれません。

 しかし、油性クリームで仕上げる場合はデリケートクリームを必ず使うようにしてください。なぜなら、油性クリームには革の栄養成分があまり入っていないからです。

 もしも、この工程を抜かしてしまうと、栄養不足になり革が固くなってしまいます。人間で例えるとしたら、化粧をする前の化粧水を使うようなものです。試したことのない方はぜひ試してきてください。履き心地が中々変わりますから。

 では、デリケートクリームを塗布するときのイメージをお伝えします。

 マッサージしてあげてください。

 「どーゆーことじゃーい。」って思われた方がいらっしゃるかもしれません。しかし,みなさん、クリームって塗り方ひとつでクリームの入り具合が違います。塗り方によっては、表面に乗せてるだけになってしまっている場合もあります。

少量のクリームを押し込むように塗布してあげれば、クリームが奥まで浸透し革がもっちりしてくるはずです。

 クリームの塗布が終わったら、豚毛ブラシでブラッシングをしてください。ブラッシングが終わりましたら、革の表面に残っているクリームを布で拭きとってください。

 豚毛ブラシの使い方のコツは、「ポリ男式靴磨き・鏡面磨き編」に詳しく書いてあるので、そちらを読んでいただけましたら幸いです。

 デリケートクリームを塗布→マッサージするように奥へ押しこむ

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デリケートクリーム塗布後

 

油性クリームの塗布

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油性クリーム

 こちらが「ポリ男式靴磨き・自然仕上げ」最後の工程です。この工程は、人に例えるのであれば、化粧の工程です。ここで皆さんにお聞きしたいかとがあります。

 「厚化粧と薄化粧、どちらのほうが好きですか?」

 おそらく薄化粧の方を好む方が多いでしょう。ということで、靴にも薄化粧をしてあげます。油性クリームを塗布するときは、うすーくうすーく塗ってあげてください。

 もしも、塗りすぎてしまうと表面がべたべたになりきれいに仕上がりません。厚化粧の人は肌がべたついていますよね?靴も」それと同じです。(べ、べつに厚化粧の人がかわいくないって言ってる訳じゃないですよ?)

 ということで、油性クリームの塗布が終わりましたら豚毛ブラシでブラッシングをしてください。ブラッシングがおわりましたら、表面に残っているクリームを拭き上げてください。

 油性クリーム→薄化粧するように

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油性クリームの塗布後

ヤギ毛ブラシでブラッシング

 みなさんお疲れ様でした!やっと最後の工程ですね。ヤギ毛ブラシに少量の水を付け、手で慣らした後にブラッシングをしてください。

 イメージは表面を優しく擦るような感じです。これに関しても「ポリ男式靴磨き・鏡面磨き編」で詳しく書いてますので、そちらを読んでいただけると助かります。ブラッシングが終わりましたら、布で乾拭きををすれば仕上がりです!

 ヤギ毛ブラシ→表面を優しく擦る

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仕上がり

まとめ

鏡面派と自然派、謎の対立がありますが中良くしましょうよ。

靴磨きなんぞ人の好みですし。

ただ、鏡面磨き出来ないのに自然派なんて言ってる人は、

昔の私と同じですぞ。